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2年ぶりのくも合戦 (2013年6月16日):全てに懐かしい加治木であった

 昨年は日曜祝日休日も高3受験生たちを教えていて参加しなかった。『2年続けて行かないと疎遠になるよ』との同僚の声に背中を押されての今年の参加であった。2年ぶりの加治木だから、どうなるかなぁ、と少々気持ちは引いている。

 さて、伊丹から鹿児島へのJAL便は、ターボプロップのDHC8だけになっていて、ジェット機より20分多く機内で過ごすこととなった。これは、九州新幹線開通の影響なのだろう。梅雨のこの時期、前線の中を飛び、鹿児島空港上空を旋回して天候回復待ちという年もあったし、風雨の中のフライトとなるのが常であるが、今年は途中揺れることも無く着陸であった。よかった!
伊丹と鹿児島を結ぶターボプロップ機加治木の山の景観小旗の意匠がカラフルにくも合戦会場の加治木福祉センター

 加治木の山は、相変わらず緑が濃い。田植えを終えた田んぼは、大らかに水を湛え、梅雨空の雲を水面に映している。空港から加治木の街中への沿道には、名物「加治木まんじゅう」や「焼酎」、「地鶏り」の看板…、懐かしい加治木の風景が、僕を向かえ入れてくれた。ところで、加治木のメインストリートに掲げてある「くも合戦」の小旗の意匠がカラフルなものに変わっていた。姶良市となり、くも合戦保存会の法被も新調されたようである。馴染みの居酒屋の看板名も変わっていて、一瞬戸惑ったが、店に入れば元と同じ大将と女将さんでほっとした。地鶏の刺身を肴に焼酎湯割りを戴くのが「くも合戦」前夜の変わらぬ楽しみである。

 「くも合戦」の当日。クモに声援を送る旧知の方々の姿が懐かしかった。宮崎の松田さんは、3匹とも3勝ぐもの9点で「合戦の部」優勝。熊本の川端さんは、熊本からの多くの参加者と参戦されていた。立行司・吉村さんの相変わらずの見事な行司さばき…、少し老けられたかな…失礼(笑)、いやこれは貫禄である。実況アナウンスの西倉さんの名司会進行も健在で、全てに懐かしい加治木であった。
くも合戦子どもの部01くも合戦子どもの部02くも合戦立行司の西村さんと司会の西倉さくも合戦の取材陣くも合戦勝敗表くも合戦王将戦

 さて、加治木から帰ってきたが、クモは未だ洗濯ネットの中に居る。採集場所の本州最南端の地・和歌山串本の潮岬までの高速道路代は馬鹿にならないから、生息地に還すのを、高速代が半額になる日曜まで待っている、という訳である。
 一匹のクモが、飼育籠の下に転がっていた。餌を与えていなかったからだろうか?可愛そうなことをしてしまった。仕事帰りのバス停の傍らに咲いていたクチナシの花にコガネムシを発見。この餌を採って帰り、くだんのクモを見ると今日の雨のお陰であろうか、弱っていたクモが、丸網の真ん中に陣取っていてくれた。お前は生きていてくれたんだね、コガネムシを与えると、見事にグルグル巻きして食べてくれた。よかった!
 お前を野に還してあげるから、もう少しの辛抱だよ。飼育籠の洗濯ネットの周りには、小さな雄のクモが訪れている。もうお前は立派な成熟雌なのだから、来年のために、沢山の卵を産んでくれよ。

クモの飼育籠

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