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くも合戦:島津雨 (2016年6月19日)

 朝の散歩がてら、龍門滝温泉へ。温泉で一番風呂を楽しんだまでは良かったのだが、宿への帰り道は、猛烈などしゃ降りの中。稲妻が光り、雷鳴も轟く。傘をさしても、強い雨脚には間に合わない。路面は踝まで冠水し、靴の中は水浸し。旅慣れているつもりの私だが、腰から下は完璧にずぶ濡れ。自然に乾くのを待つには昼頃まではかかるだろうなぁと、気も沈む思いであった。

 さて、くも合戦開会式の祝辞で、地元鹿児島に「島津雨」という言葉があることを知った。「島津雨」とは、「良いことが起こる前触れ」の突然の大雨のことで、島津家初代の忠久が生まれる時に突然大雨が降ったことに由来するとのこと。門出の際など慶事に雨が降ると縁起がよいとされ、それは、島津様が鹿児島に凱旋出陣すると雨に見舞われるからとも云われている。

 くも合戦は今年、ダイドードリンコの「日本の祭り」に選ばれ、MBC南日本放送が番組を放映する。そのタイトルは「蜘蛛の大将〜加治木くも合戦〜」。なるほど、だから「島津雨」となったのだと、私は合点することにしておいた。この番組で、エジプト考古学者の吉村作治先生が来ておられた。また、昨年訪問できなかった熊本・芦北の古石交流館みどりの里の元館長 溝口秀士さんとお話することもできた。熊本地震の被災地益城町でボランティアをされ、できれば益城町の子どもたちにくも合戦を見せてあげたいとのことであった。会場には、沢山の方が来ておられたが、横溝正史をはじめとする日本の小説の翻訳を数多く手掛け、動物闘技など民俗学の研究をされているタイのチュラーロンコン大学文学部副学部長 チョムナード・シティサン(Chomnard SETISARN)女史と、2008年以来8年ぶりに、くも合戦会場でお逢いできたのが、なによりも嬉しい今年だった。

加治木くも合戦子どもの部コガネグモ腹部模様の斑紋変異くも合戦を観戦するエジプト考古学者の吉村作治先生インタビューに答える

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