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里山の夏:ヘクソカズラ

 ”娘十八 番茶も出ばな 屁屎葛(へくそかずら)も花盛り”

 土佐西畑(さいばた)人形(でこ)芝居、「岩見重太郎大蛇退治(いわみじゅうたろうおろちたいじ)」の一節である。若い娘の許へ夜な夜な通う美青年は、実は大蛇の化身である、というお話。娘の頭(かしら)は、うら若き美人を形容して作られているが、娘との逢瀬の場面での、この一節はユーモラスである。

 さて、葉も茎も悪臭があるヘクソカズラだが、その花は美しい。この花が咲き出すと、この一節が口からついて出る。恋に焦がれる娘たちを、いとおしく思い、にやりとしながら里山を歩いている自分に気づく…。

ヘクソカズラの花

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