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網の飾り 2021年9月

 
 コガネグモの網には、X形の飾りがあります。クモが脚をそろえて網にいると、その姿を隠す効果があるとの考えから「隠れ帯」と呼ばれてきました。その役割については、諸説あり、クモによっても役割は違うようです。
 隠れ帯は、網を壊されないよう、鳥に避けてもらうための目印であろう、との実験があります。しかし、カタハリウズグモは、鳥が飛ぶことのない低い所に網を張るので、別の役割が考えられます。虫は、隠れ帯を取り除いた網にくらべ、隠れ帯のある網を選びました。隠れ帯が紫外線を反射し、虫を誘引しているのです。では、このクモの隠れ帯に、直線形とうず巻形の2種類あるのはなぜでしょう。隠れ帯の違いは、網の振動の違いをもたらします。うず巻形は、たて糸を中央に引っ張ることで糸の張力を高めます。実験により、クモが満腹の時は直線形で大きな虫を捕えるのに適しており、空腹時はうず巻形で網の感度を高め、小さな虫の動きをみのがさない、という結果が得られたのです。

コガネグモの隠れ帯コガネグモのX型の隠れ帯 [林俊夫(2011)]

方ハリウズグモの2種類の隠れ帯と隠れ帯を取り除いた様子

カタハリウズグモの2種類の隠れ帯と隠れ帯を取り除いた様子 [Watanabe(1999)を改変]

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